2023年4月からデジタル給与払いがスタートしていることを知っていましたか?
この新しい給与受け取りの波がいつから始まったのか、どういったメリットがあるのか、そして導入する際の注意点は何なのかを解説していきます。
エニペイとは、毎月指定日に、デジタルマネーを含む指定した受け取り方法で給与を最大5口座に振り分けることのできるサービスです。
「企業と、従業員と、従業員の給与債権の登録ができて、一定の日付・方法で給与(又は賃金)の全部又は一部を繰り返し支払い、その結果を保持しておくことができるシステム」として、PaymentTechnologyがビジネスモデルの特許を取得しております。【特許第6928708号】
目次
デジタル給与とは何?その特徴やメリットについて
デジタル給与とは、従来の銀行口座への振り込みに代わり、〇〇payといった資金移動業者を通じて支払われる給与のことです。
厚生労働省のホームページによると、以下が趣旨と概要です。
「賃金の支払方法については、通貨のほか、労働者の同意を得た場合には、銀行その他の金融機関の預金又は貯金の口座への振込み等によることができることとされています。
キャッシュレス決済の普及や送金サービスの多様化が進む中で、資金移動業者の口座への資金移動を給与受取に活用するニーズも一定程度見られることも踏まえ、今般、使用者が、労働者の同意を得た場合に、一定の要件を満たすものとして厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者の口座への資金移動による賃金支払(いわゆる賃金のデジタル払い)ができることとしました。」
参考:厚生労働省「資金移動業者の口座への賃金支払(賃金のデジタル払い)について
デジタル給与の最大の特徴は、PayPayなどの〇〇payなどの指定資金移動業者を通じて即座に給与が受け取れる点にあります。
これにより、労働者はより迅速かつ便利に給与を管理することができます。
デジタル給与の開始時期
デジタル給与の制度は、厚生労働省の指定資金移動業者への申請が承認されるスケジュールに従い、順次解禁されています。
2023年4月に解禁はしたものの、資金移動業者の認可が下りず、厚生労働省からの認可を待っている状況が現在の状況です。
【今後の流れ】
時期 | 概要 |
2023年4月〜 | 資金移動業者が厚生労働大臣に指定申請、厚生労働省で審査(数か月かかる見込み) |
大臣指定後〜 | 各事業場で労使協定を締結 |
労使協定締結後〜 | 個々の労働者に説明し、労働者が同意した場合には賃金のデジタル払い開始 |
エニペイとは、毎月指定日に、デジタルマネーを含む指定した受け取り方法で給与を最大5口座に振り分けることのできるサービスです。
「企業と、従業員と、従業員の給与債権の登録ができて、一定の日付・方法で給与(又は賃金)の全部又は一部を繰り返し支払い、その結果を保持しておくことができるシステム」としてPaymentTechnologyがビジネスモデルの特許を取得しております。【特許第6928708号】
デジタル給与へ対応予定の資金移動業者
実際にデジタル給与で給与を受け取ってみたい!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
2023年11月現在、デジタル給与に利用できる資金移動業者は指定移動資金業者の指定に向けた審査待ちという状況のため、公に発表されて公表されていません。
対応予定の資金移動業者は以下となっています。「申請書を提出済み」であることをリリースしています。
普段使っている〇〇Payが対応できるようになるのを期待しましょう!
PayPay株式会社 |
楽天Edy株式会社 |
楽天ペイメント株式会社 |
株式会社リクルートMUFGビジネス |
auペイメント株式会社 |
出典:PayPay株式会社「賃金のデジタル払い(給与デジタル払い)に向けて厚生労働省へ指定申請を提出」
出典:楽天ペイメント株式会社・楽天Edy株式会社「『楽天ペイ』などで利用可能になる「賃金のデジタル払い」の指定申請完了」
出典:株式会社リクルート「毎月の振込みがラクになる給与支払サービス『Airワーク 給与支払』本日より提供開始 子会社が賃金のデジタル払いの指定事業者にも申請」
会社(支払側)のメリット
デジタル給与には、企業と従業員の両方に多くのメリットがあります。
会社(支払側)のメリット
デジタル給与の導入は企業にとって、コスト削減、効率化、そして新しいことを取り入れているという企業イメージアップの影響をもたらすでしょう。
企業のブランドイメージ向上も見逃せません。
デジタル給与を採用することは、企業がイノベーションを取り入れ、時代の最先端を行く姿勢を示すことができるのです。
これは、特に若い世代の人材を惹きつける要因となり、新たな雇用機会を創出する効果が期待できます。
銀行振り込みよりも手数料が安い可能性
まず、目を引くのは、銀行振り込みに比べて手数料が格段に低い可能性がある点です。
通常、給与振り込みを行うには、給振という方式か総振という方式をとって企業が給与計算を行ったものを経理や財務の担当者が行っていると思います。
そういった一括の手数料よりも、給与デジタル払いを行うと手数料が安くなる可能性があるといえます。
これは、特に従業員数が多い企業にとっては、経費削減の大きなチャンスといえます。
さらに、デジタル給与は処理が迅速であり、経理部門の負担を軽減し、他の業務へのリソースを振り向けることが可能になります。
PaymentTechnologyのエニペイというサービスを使うと、一部を従来の銀行口座に給与として、一部をデジタルマネーで受け取るという受け取り方ができ、自分自身で給与というものを受け取る前に自由に端末上で振り分けることができます。
エニペイを導入している企業の従業員であれば、エニペイを使うと簡単に振り分けて受け取ることができます。
気になる人はぜひこちらからお問い合わせください!
企業イメージの向上および雇用機会の増加
デジタル給与を導入しているというのは、企業が新しいことに取り組んでおり、今の時代の従業員の福利厚生に積極的に投資しているというメッセージを伝えることができます。
デジタル給与に対応!というだけで、求人効果にもなりますし、1つプレスリリースを打ってアピールすることができます。
従業員のためのメリットを徹底解説
従業員にとっても、デジタル給与は多くのメリットをもたらします。
キャッシュレス決済の利便性の向上や、PaymentTechnologyのエニペイを使って給与の一部をデジタルマネーで受け取る選択肢が得られるなど、生活に直結するメリットがあります。
給与の一部だけをデジタル給与で受け取れる
従業員は自分のライフスタイルに合わせて、給与の全額または一部をデジタルマネーとして受け取る選択ができます。
これにより、自分の財務管理をより柔軟に行えるようになります。
【エニペイとは?】
毎月指定日にデジタルマネーを含む指定した受け取り方法で給与を最大5口座に振り分けることのできるサービスです。
用途に応じて複数の口座を使い分けている人は86% (※)
上記のようなニーズを踏まえ生まれた「エニペイ」が 振込先を指定できることで便利に!
給与口座の振り分け・デジタルマネー払いの導入を支援します!
※出典:「銀行の使い分けに関するアンケート調査」マイボイスコム株式会社調べ(2023年4月)
デジタル給与(給与デジタル払い)のデメリット
デジタル給与導入には多くのメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。
会社側(支払い側)と従業員側(受取側)の両方の側面でそれぞれみていきましょう。
会社(支払側)のデメリット
会社側のデメリットとしては、
・給与支払いに関する業務量の増加
・管理コストの上昇
2点あげられます。それぞれみていきましょう。
給与支払いに関する業務量の増加
デジタル給与を導入すると、新しいシステムへの対応や、従業員からの問い合わせ対応など、給与支払いに関連する業務量が増加する可能性があります。
人事部、経理・財務部門の方にそれぞれ新しい制度への対応というところで新たな業務のしわ寄せが来る可能性は考慮すべきです。
管理コストの上昇
デジタル給与システムの導入と維持には、初期投資としてのコストがかかります。
また、システムのアップデートやセキュリティの維持にも継続的な投資が必要です。
人件費も大きなコストです。自社で対応しようとするとそれに伴う業務負担・人件費がかさむ可能性もあるでしょう。
従業員(受取側)のデメリット
それでは、従業員(受取側)のデメリットをみていきましょう。
希望する資金移動業者が使えない?その理由と解決策
厚生労働省の認可を受けた資金移動業者しか使用できないため、従業員が希望する業者が使えない場合があります。
実は、〇〇Payで受け取りたい、でも対応していないからそれでは受け取れないという状況も起こり得るでしょう。
この問題に対しては、企業が従業員の意向を聞き、複数の資金移動業者との契約を検討することが解決策となるでしょう。
口座入金額の上限:100万円
口座の上限額は100万円以下に設定されています。
上限額を超えた場合は、あらかじめ労働者が指定した銀行口座などに自動的に出金されます。
この際の手数料は労働者の負担となる可能性がありますので、指定資金移動業者にご確認ください。
となっています。
100万円以上を一括で受け取るというのは現実的ではないかとは思われますので、この点は問題ない点かとは思いますが賞与をデジタルマネーでという場合は変わる可能性もある場合も考えられるので、今後の厚生労働省の動きには注目です。
セキュリティ上のリスク対策
デジタル給与を取り扱う際には、セキュリティ上のリスクが常に付きまとうため、従業員はアプリの利用方法や、パスワード管理に注意を払う必要があります。
情報リテラシーの問題もあるでしょう。
デジタル給与へ対応するまでの流れ
デジタル給与への移行は、一見単純なプロセスのように思えますが、実は結構複雑な準備と精緻な計画が必要です。
これは、ただ新しい支払いシステムを導入するだけでなく、法規制の理解、従業員とのコミュニケーション、そしてシステムの適応が関わってくるためです。
少しずつみていきましょう。
指定資金移動業者の決定まで
デジタル給与導入の最初のステップは、数ある資金移動業者から利用する資金移動業者を決めることです。
この段階では、メリットとデメリットを熟考する必要があります。
例えば、手数料の低さ、利用のしやすさ、セキュリティ面での強さなど、会社のニーズに最も適合する業者を選ぶ必要があります。
メリットデメリットの把握
会社がデジタル給与に対応するためには、まずその決定が経済的に合理的であるかを評価する必要があります。
メリットとしては、従来の給与支払いよりも手数料が低く抑えられる可能性や、支払いプロセスの迅速化があげられます。
デメリットには、新しいシステムへの移行に伴う初期コストや、従業員への教育コストが考えられます。
会社内の意識調査(アンケート)の実施
この新しいシステムに対する従業員の意識を知るために、アンケートを実施します。
デジタル支払いへの抵抗感がないか、またはどのような支援が必要かなど、実際のニーズを把握することが重要です。
指定資金移動業者の決定後
資金移動業者を選定した後は、具体的な導入プロセスに移ります。
これには、労使協定の締結、就業規則や給与規定の改正、そして従業員への周知などが含まれます。
労使協定の締結
デジタル給与の支払いに移行する前に、労働者代表と協定を結びます。
これにより、新しい給与システムが労働基準法およびその他の関連法規に準拠していることを確認します。
PaymentTechnologyのエニペイをご導入いただくと、デジタルマネー払いに対応という形になりますが、労使協定の雛型もPaymentTechnologyではご用意していますので、ご安心ください。
そしてお気軽にお問合せください。
就業規則や給与(賃金)規定の改正
デジタル給与に関する新しいポリシーは、会社の就業規則に明記される必要があります。
また、給与規定も更新し、デジタル給与の選択肢が従業員にとって明確かつ公平であるようにします。
一部、導入に対しては改正が必要となる場合もあります。
従業員への周知
新しい給与支払いシステムの導入にあたり、全従業員に対して十分な情報提供と教育を行う必要があるでしょう。
これには、どのようにデジタル給与を選択できるか、またそのメリットとリスクが含まれます。
デジタル給与希望者への同意書提出方法とポイント
デジタル給与を希望する従業員は、同意書を提出する必要があります。
これにより、彼らが新しい支払い方法を理解し、同意していることが文書化されます。
導入している給与システムの仕様確認
最終的に、既存の給与システムが新しいデジタル支払い方法に対応しているか、必要な調整が行われているかを確認します。
これには、技術的なアップグレードや、場合によっては新しいシステムへの移行が含まれるかもしれません。
PaymentTechnologyのエニペイですと、どの給与システムを使っていたとしても対応可能です。
給与計算が完了した、銀行の給振・総振時に必要とされるFBデータさえ準備出来れば、それによって振分けサービスの対応が可能です。
ぜひ検討してみてください。
よくある質問
「口座なし」でも大丈夫?銀行利用の新常識
仮に、給与の全額をデジタル給与で受け取る場合でも、銀行口座の保有は必要です。
同意書作成時の銀行口座登録は必須であるため、銀行口座を持っていなければデジタル給与の利用はできません。
デジタル給与を受け取る資金移動業者は選べる?
デジタル給与を受け取るための資金移動業者は、厚生労働省による審査・認可を受けた後、指定資金移動業者に指定される必要ため、必ず希望の業者を選べるわけではありません。
また、どの資金移動業者を利用するのかは会社と労働組合または従業員との労使協定で決定されます。
引き続き銀行口座も利用できる?
従業員はデジタル給与と併用して、銀行口座での給与受け取りを選択することができます。
デジタル給与での受け取りを希望しない場合には、現状での対応も可能です。
振り分けたいな、という場合にはエニペイの検討をしてみてください。
まとめ
デジタル給与払いの実現は、給与受取のあり方に革命をもたらしています。
この記事では、デジタル給与がスタートした背景から、その手軽さとスピードに富んだ利点、そして企業と従業員が注意すべきポイントまでを余すところなく解説しました。
厚生労働省の規制緩和により可能となったこの制度は、私たちの給与を受け取る方法を根本から変える可能性を秘めています。
しかし、その選択肢を活かすためには、セキュリティや給与支払いシステムの仕様を理解し、適切に対応する必要があります。
デジタル給与への移行は計画的に、そして慎重に。
【エニペイとは】
給与のデジタルマネー払いが可能
1.企業が銀行の口座を介さず、スマートフォンの決済アプリや電子マネーを利用して振り込むことができる。
2.従来の口座以外に給与を振分け可能
デジタルマネーを含む指定した受け取り方法で、証券口座や給与を最大5口座に振り分けることのできる
3.ビジネスモデルの特許を取得済み
従業員の給与債権の登録ができ、一定の日付・方法で給与の全部又は一部を繰り返し支払い、その結果を保持しておくことができるシステム【特許第6928708号】
執筆者 M.S