取引先から破産申立が届いたときはどのように対応すればよいのでしょうか。
売掛金などの債権がある場合は、その回収について考えることも大事ですが、放っておくと債権回収できないだけでなく損が生じる可能性もあります。
取引先の破産が自社の経営活動に悪影響が及ばぬようにできることを把握しましょう。
【オクラス】
受け取った請求書をクレジットカードで支払うことができるサービスとなります。
月末にでるお金をカードの引き落とし日までキャッシュアウトのポイントをずらすことで、キャッシュフローの改善が見込めます。
状況の確認
取引先から破産申し立ての通知が届いた場合、企業は迅速に状況を評価し、適切な対応を行う必要があります。
まず破産申し立ての詳細を理解することから始まります。
特に自社に与える影響を把握することは重要であり、未払い請求書や進行中の契約にどのような影響があるかを検討しましょう。
次に、取引先との連絡を取り、破産手続きの詳細や今後の取引に関する情報を確認します。
この段階では、取引先の法的部門の代表者や担当者とのコミュニケーションを通じて、発生している状況についての理解を深めることが不可欠です。
ここで得た情報は、今後の戦略を立てる際の基礎となります。
また、破産申し立ての影響を評価し、自社の財務状況にどのような影響があるかを把握することも重要です。
つまり、未回収の債権額や、取引中止による収益への影響などを含め、様々な財務上のリスクを評価する必要があります。
同時に、法的なアドバイスを求めることも重要です。 法律の専門家に相談することで、自社の権利を保護し、破産手続きにおける自社の立場を最適化する方法についてアドバイスを受けることができます。
状況によっては、緊急のビジネス計画を策定し、将来的なリスクを最小限に抑えるための戦略を立てる必要があるケースもあります。
これには、代替の供給元を探す、新しい顧客を開拓するなど、業務の再構築に向けた活動をする可能性もあります。
取引先の破産申し立ては深刻な影響を及ぼす可能性がありますが、迅速かつ慎重な対応によって、その影響を最小限に抑え、企業の安定性を維持することが可能です。
貸倒損失の処理
取引先から破産申し立てのお知らせがきた時点で、売掛金などの債権を回収することは非常に困難となります。
しかし、回収のできない債権にも関わらず、売上分として税金の対象になってしまうことは避けなくてなりません。
・破産手続の申し立ての状態の場合
企業が特定の取引先から受け取るべき金額(売掛金など)から、その取引先に対して負っている債務(買掛金や預り金など)を引いた金額を基に、将来回収不能となる可能性がある債権のために設ける引当金を計算する場合があります。
この計算によって求められた金額は、企業の財務報告における損金として認識され、企業の税負担を軽減する役割を果たします。
・破産手続きの決定の状態
債権者集会の決定が確定したとき、企業はその時点で未回収の債権全額を貸倒損失として認識し、これを損金として財務報告に計上することができます。
債権者集会での決定が企業に通知された場合、その企業はまだ回収していない残存する債権額を全額、回収不能と見なし、これを損失として計上します。
実務上、このような決定の通知は、未回収の債権が実際に回収できなくなったことを示す重要な指標となり、企業の財務状況に反映される必要があります。
この処理により、企業の財務報告は実際の経済状況をより正確に反映し、税負担に関しても適切な調整が行われることを可能にします。
・取引停止から1年以上が経過している場合
ある債権に関する最後の取引や支払いから1年以上が経っている場合、その債権の価値を事実上ゼロ(ただし記録上は1円として残す)と見なし、その債権の残高から1円を差し引いた金額を損失として扱うことがあります。
この方法は、定期的に継続して取引が行われている場合に適用され、破産などの特定の通知がなくても使用することが認められています。
これにより、企業は実質的に回収不可能と判断される債権に対して、財務報告上の適切な処理を行うことができます。
破産を防ぐ手段にもなるオクラスとは?
取引先の破産により自社までも連鎖的に倒産に追い込まれるケースもりますが、これを防ぐための対策は選択肢として把握しておきたいところです。
そこで役に立つのが「オクラス」という、受領した請求書の支払いをクレジットカードを使うことで遅らせることのできるサービスになります。
オクラスは申し込みから利用までスムーズに行えるため、破産などの緊急性の高い事態に直面した際には効果的なサービスとなります。
まとめ
取引先から破産申し立てのお知らせが来た場合に企業としてできる対応を把握しておかなければ、企業として大きなダメージを受ける可能性があります。
それを防ぐためにも売掛金などの債権を含めた管理を行い、取引先との関係を築きましょう。
執筆者 B.M