2023/08/24
請求書

インボイス制度で手書きの領収書はどうなる?認められる?



2023年10月1日から開始した「インボイス制度」において、飲食店業や小売業などは要件の一部を省略し、適格簡易請求書(簡易インボイス)として領収書やレシート等を交付することが認められるのか、
必須と言われる項目について解説します。


手書きの領収書でもインボイスとして認められるか


 

・適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号

・実際に行った(取引)年月日
・課税資金の譲渡にかかる資産又は役務の内容(取引内容)
・税抜価格又は税込価格の税率ごとに区分して合計した金額
・税率ごとに区分した消費税額等又は適用税率

 

例えば、飲食店を利用した際に手書きの領収書を発行してもらった際に、宛先を「上様」とした場合のケースを考えてみましょう。
その場合は、適格簡易請求書(簡易インボイス)の交付が可能な事業者が、領収書等(簡易インボイス)を発行する場合は、「書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称は不要」のため、領収書の宛先は、「上様」でも問題ないとされております。
適格請求書及び適格簡易請求書の様式は、法令等で定められておりません。

 

インボイスにおいて発行側の注意点


インボイス制度に対応していくうえで、領収書を発行する側が検討すべき事項をおさらいしましょう。

 

適格請求書・適格簡易請求書の発行


インボイス制度への適応は、発行側にとって重要な課題であり、特に、適格請求書の記載項目を満たした領収書を発行できるシステム環境の整備が求められます。現在システムで領収書を発行している企業は、そのシステムが新たな制度に対応しているかどうかを早急に確認し、適宜システム改修や更新を検討する必要があります。手書きで領収書を発行している場合、インボイス制度への適応を機にシステムを導入することも検討してみてはいかがでしょうか。手書きでの記入は、時間や労力がかかる上に、記載ミスによる再発行リスクも伴います。手書きであっても記載要件を満たしていれば有効ですが、登録番号や税率別の細かい金額の記載は複雑でミスが発生しやすいため、システム導入による正確性の担保と業務効率の向上は、取引先との安全なやり取りにもつながります。

 

電子インボイスの検討


領収書の送付方法は、手渡しや郵送だけでなく、ビジネス間取引ではメールなどを通じて電子インボイスの利用も広がっています。電子インボイスは、請求書の発行や受領において既に一般的な手段となっており、DXやペーパーレス化の動きに伴い、今後領収書に対しても電子インボイスの利用が拡大することが予想されます。特に、電子インボイスを使用することで、送付のスピード化や管理の効率化が期待できます。取引先によっては、将来的に電子インボイスでの送付を求めるケースも想定されるため、現段階から対応策を準備することが重要であり、すでに電子インボイスを利用している企業はもちろん、そうでない企業も、取引先のニーズに応じて柔軟に対応できる体制を整えておくと安心です。電子インボイスの導入は、業務の効率化だけでなく、商機を逃さないためにも有効な施策となります。

 

控えの保存方法


インボイス制度において、適格請求書発行事業者には写しを保存することが義務付けられています。これは、自社で発行した適格請求書や適格簡易請求書に該当するすべての証憑書類のコピーを保管することを意味しており、具体的な保存形態についての規定はないものの、紙での保存は発行時にコピーを作成する手間や、保管スペース、人件費などのコストが発生するため、電子データでの保存が推奨されています。特に、電子インボイスを使用している場合は、送信したデータをそのまま保存することで、コスト削減と効率化を実現できます。このように、電子データによる保管は、コスト削減と管理の容易さを両立させる効果的な方法となります。

 

インボイスにおいて受領側の注意点


インボイス対応の上で、受領する側は仕入れ税額控除の関係から書類の管理なども重要になります。

 

受領時に内容確認の必要がある


インボイス制度の下では、適格請求書や適格簡易請求書に記載された情報の正確性が仕入税額控除を受けるために非常に重要となるため、受け取った際には、発行事業者の登録番号や各種記載事項、消費税の区分などが適切に記載されているかを念入りに検証することが求められます。記載に誤りがある場合は、直ちに取引先に連絡を取り、訂正された適格請求書を再発行してもらう必要があります。

 

適格請求書等を判別する必要がある


インボイス制度の下では、仕入税額控除の対象となるのは適格請求書・適格簡易請求書に限定されます。これにより、企業は受領した領収書の中からこれらに該当するものを選別する作業を行う必要があります。

※2029年10月までの経過措置期間中は、免税事業者などから発行された特定の領収書については限定的に仕入税額控除が認められます。

 

まとめ

簡易インボイスとして要件を満たしていれば手書きのままでも対応可能ですが、POSシステム(レジ)から機械的に発行される領収書と異なり、手書きの場合は取扱いに注意が必要なケースもあります。

まずは今後のためにも電子化に向けての取り組みも実施していきましょう。

 

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執筆者 M.S

 

結論として、適格請求書(インボイス)または適格簡易請求書(簡易インボイス)として必要な事項が記載されていれば認められます。
そして適格簡易請求書(簡易インボイス)として交付が可能な事業者から受領した場合は、当然に仕入税額控除の適用を受けることができます。
また、適格簡易請求書(簡易インボイス)の記載事項は、インボイス(適格請求書)より簡易的な記載事項で良いとされています。

そもそもインボイス制度とは?


インボイス制度とは、一言でいうと「仕入税額控除」の新しいルールを定めたものです。
インボイス制度がはじまると、仕入税額控除を行うためには適格請求書発行事業者の適格請求書が必要になります。
まず仕入税額控除とは何なのか確認していきましょう。
仕入税額控除とは「課税売上にかかる消費税額から課税仕入れにかかる消費税額を控除する」ことをいいます。
事業者の方は、一般消費者から支払われる消費税を納税する義務があります。
この納税する消費税に対し、事業者の方が仕入れ時にかかった消費税分を控除して良いというのが仕入税額控除です。
仕入税額控除は消費税が2重3重に納税されてしまうことを防ぐことができます。


インボイス制度における手書き領収書とレシートの違い


適格簡易請求書(簡易インボイス)では、手書きの領収書も一定の条件を満たせばインボイスとして扱うことができます。
スーパーやコンビニのレシートは機械的に発行されるため誤記のリスクが少ないですが、手書き領収書では注意が必要です。
特に、飲食店などで発行される「上様」宛の領収書も適格簡易請求書として有効ですが、会社での経費精算の場合は、宛先を正確に記載し、消費税率や消費税額の有無を確認することが推奨されます。
適切な記載と確認が、書類の正確性と経理業務の効率化につながります。
会社としてのインボイス対応としては、接待などの飲食を行う際にはあらかじめ予約やお店の手配時からインボイス対応をしっかり行っているかどうかの飲食店か確認すると、後の経費精算等でトラブルなく対応できるでしょう。

適格簡易請求書(領収書・レシート)とは?適格請求書との違い


適格簡易請求書(簡易インボイス)は、通常の適格請求書の内容を簡略化した書類です。小売業や飲食業のような不特定多数との取引を行う事業者が使用します。
この簡易版では、事業者の氏名や名称の記載が不要で、消費税額や適用税率のうち一方の記載のみが必要です。通常のインボイスと同じく、これらの請求書は仕入税額控除の適用を受けることができます。

出典:国税庁インボイスQ&A 問 49 適格簡易請求書の記載事項

適格簡易請求書(領収書・レシート)を発行できる事業者


適格簡易請求書(領収書・レシート)を発行できる事業者は以下の通りです。

小売業
飲食店業
写真業
旅行業
タクシー業
駐車場業(特定条件下)
その他類似事業者

これらの事業者は、不特定多数の顧客との取引が可能なため、簡易請求書の発行が認められています。
出典:国税庁インボイスQ&A 問 24 適格簡易請求書の交付ができる事業


インボイスの交付義務が免除される特例

また次にあげるような取引は、事業の性質上、インボイスを交付することは困難なため、インボイスの交付義務が免除されています。
以下の取引の場合は、領収書等のインボイスの保存は不要で、一定の事項が記載された帳簿の保存のみで仕入税額控除が可能となります。

免除対象取引
・3万円未満の公共交通機関による旅客の運送(公共交通機関特例)
・卸売市場における生鮮食料品等の販売(出荷者が卸売業務を行う場合)
・農林水産物の販売(無条件委託・共同計算方式で生産者特定せず行う場合)
・3万円未満の自動販売機・自動サービス機による商品の販売(自動販売機特例)
・郵便切手類のみを対価とする郵便・貨物サービス(郵便ポスト差出の場合)

 


簡易インボイスとして必要な記載事項

簡易インボイスが普通のインボイスと異なるポイントとしては、以下の3点があります。

・「書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称」が不要な点
・「税率ごとに区分して合計した対価の額」に適用税率を記載する必要がない点、
・「税率ごとに区分した消費税額等」の記載を、「適用税率」の記載で代用できる点

 

特に大きな特徴としては、「書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称」の記載が不要という点になります。
適格簡易請求書の記載事項については以下5項目です。

・適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号

・実際に行った(取引)年月日
・課税資金の譲渡にかかる資産又は役務の内容(取引内容)
・税抜価格又は税込価格の税率ごとに区分して合計した金額
・税率ごとに区分した消費税額等又は適用税率

 

例えば、飲食店を利用した際に手書きの領収書を発行してもらった際に、宛先を「上様」とした場合のケースを考えてみましょう。
その場合は、適格簡易請求書(簡易インボイス)の交付が可能な事業者が、領収書等(簡易インボイス)を発行する場合は、「書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称は不要」のため、領収書の宛先は、「上様」でも問題ないとされております。
適格請求書及び適格簡易請求書の様式は、法令等で定められておりません。

 

インボイスにおいて発行側の注意点


インボイス制度に対応していくうえで、領収書を発行する側が検討すべき事項をおさらいしましょう。

 

適格請求書・適格簡易請求書の発行


インボイス制度への適応は、発行側にとって重要な課題であり、特に、適格請求書の記載項目を満たした領収書を発行できるシステム環境の整備が求められます。現在システムで領収書を発行している企業は、そのシステムが新たな制度に対応しているかどうかを早急に確認し、適宜システム改修や更新を検討する必要があります。手書きで領収書を発行している場合、インボイス制度への適応を機にシステムを導入することも検討してみてはいかがでしょうか。手書きでの記入は、時間や労力がかかる上に、記載ミスによる再発行リスクも伴います。手書きであっても記載要件を満たしていれば有効ですが、登録番号や税率別の細かい金額の記載は複雑でミスが発生しやすいため、システム導入による正確性の担保と業務効率の向上は、取引先との安全なやり取りにもつながります。

 

電子インボイスの検討


領収書の送付方法は、手渡しや郵送だけでなく、ビジネス間取引ではメールなどを通じて電子インボイスの利用も広がっています。電子インボイスは、請求書の発行や受領において既に一般的な手段となっており、DXやペーパーレス化の動きに伴い、今後領収書に対しても電子インボイスの利用が拡大することが予想されます。特に、電子インボイスを使用することで、送付のスピード化や管理の効率化が期待できます。取引先によっては、将来的に電子インボイスでの送付を求めるケースも想定されるため、現段階から対応策を準備することが重要であり、すでに電子インボイスを利用している企業はもちろん、そうでない企業も、取引先のニーズに応じて柔軟に対応できる体制を整えておくと安心です。電子インボイスの導入は、業務の効率化だけでなく、商機を逃さないためにも有効な施策となります。

 

控えの保存方法


インボイス制度において、適格請求書発行事業者には写しを保存することが義務付けられています。これは、自社で発行した適格請求書や適格簡易請求書に該当するすべての証憑書類のコピーを保管することを意味しており、具体的な保存形態についての規定はないものの、紙での保存は発行時にコピーを作成する手間や、保管スペース、人件費などのコストが発生するため、電子データでの保存が推奨されています。特に、電子インボイスを使用している場合は、送信したデータをそのまま保存することで、コスト削減と効率化を実現できます。このように、電子データによる保管は、コスト削減と管理の容易さを両立させる効果的な方法となります。

 

インボイスにおいて受領側の注意点


インボイス対応の上で、受領する側は仕入れ税額控除の関係から書類の管理なども重要になります。

 

受領時に内容確認の必要がある


インボイス制度の下では、適格請求書や適格簡易請求書に記載された情報の正確性が仕入税額控除を受けるために非常に重要となるため、受け取った際には、発行事業者の登録番号や各種記載事項、消費税の区分などが適切に記載されているかを念入りに検証することが求められます。記載に誤りがある場合は、直ちに取引先に連絡を取り、訂正された適格請求書を再発行してもらう必要があります。

 

適格請求書等を判別する必要がある


インボイス制度の下では、仕入税額控除の対象となるのは適格請求書・適格簡易請求書に限定されます。これにより、企業は受領した領収書の中からこれらに該当するものを選別する作業を行う必要があります。

※2029年10月までの経過措置期間中は、免税事業者などから発行された特定の領収書については限定的に仕入税額控除が認められます。

 

まとめ

簡易インボイスとして要件を満たしていれば手書きのままでも対応可能ですが、POSシステム(レジ)から機械的に発行される領収書と異なり、手書きの場合は取扱いに注意が必要なケースもあります。

まずは今後のためにも電子化に向けての取り組みも実施していきましょう。

 

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執筆者 M.S

 

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