近年、飲食店や小売店をはじめとする多くの業界で、アルバイトの人手不足が深刻化しています。求人を出しても応募が集まらない、せっかく採用してもすぐに辞めてしまうなど、採用担当者の悩みは尽きません。
この記事では、アルバイト人手不足の現状やその原因を明らかにし、具体的な解消法について解説します。
目次
昨今のアルバイト市場の動向
最初に、最新のアルバイト市場の動向や、業界ごとの人手不足の傾向について解説します。実際のデータをもとに、特にどの業界で人手不足が進んでいるのかを把握しましょう。
まず、日本全体で有効求人倍率が高止まりしていることが背景にあります。厚生労働省が発表した「一般職業紹介状況」によると、令和7年2月のパートタイム労働者向け有効求人倍率は1.24倍と、依然として高い水準です。(出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」)
有効求人倍率が高いということは、求人数が多いため求職者が仕事を選びやすく、いわゆる「売り手市場」の状態と言えます。
また、帝国データバンクが行った「人手不足に対する企業の動向調査(2024年10月)」によると、特に人手不足が深刻なのは、飲食店や旅館・ホテル、人材派遣・紹介業、スーパーマーケットや百貨店などの小売業です。
中でも、飲食店や旅館・ホテルでは「アフターコロナ」に入ってから需要が回復した一方で、働き手が不足したままで、人手不足が深刻な状態が続いています。こうした状況は、採用活動の強化が急務であることを示しています。
なぜアルバイトが人手不足なのか?
では、アルバイトが人手不足になる背景について、主な要因を3つに分けて解説します。
働き手の人口が減少
日本では、働き手となる生産年齢人口(15歳以上65歳未満)が年々減少しています。国土交通省の「国土交通白書 2024」によると、生産年齢人口は、1995年の8,726万人をピークに減少傾向にあり、2023年10月時点では7,395万人にまで減少しています。(出典:国土交通省「国土交通白書 2024」)
この減少傾向は今後も続くと予測されており、労働市場全体で働き手の確保がますます難しくなる状況です。少子高齢化が進み、若年層の人口が減ることで、アルバイトとして働く層が縮小。これが、店舗が求めるアルバイト人材を確保しにくくしているのです。
働き方の多様化
次に、働き方が多様化していることも大きな影響を与えています。近年では、クラウドソーシングや副業、リモートワークなどの働き方が広がり、パソコン一つあれば自宅でもできる「データ入力」や「ライティング」「動画編集」などといった仕事への参入障壁も低くなっていると言えます。
つまり、飲食店や小売店といった店舗でアルバイトをする選択肢のほかに、「スキルを身に付け自分自身で仕事を始める」という新しい選択肢が増え、以前よりもアルバイトに応募する人材が少なくなってきているとも言えるのです。
労働環境・条件のミスマッチ
募集する側と働く側のニーズが噛み合わない「労働環境・条件のミスマッチ」も課題です。
たとえば、時給は相場より高めに設定していても、シフトの融通が利かない、職場の人間関係に不安があるなど、応募者が重視するポイントが改善されていない場合は敬遠されがちです。
さらに、休憩時間の確保や職場環境の快適さといった点も重視されるようになっており、これらの改善なしには人手不足の解消は難しいといえるでしょう。
アルバイトの人手不足を解消する方法
では、実際にどのようにして人手不足を解消すればよいのでしょうか?ここでは、アルバイトの人手不足を解消するための具体策を解説します。現場でできる工夫や改善策を取り入れ、応募者を増やしていきましょう。
募集条件や待遇を見直す
まずは、募集条件や待遇を見直すことが重要です。時給だけでなく、交通費の支給有無、勤務時間の柔軟さ、福利厚生なども検討しましょう。
パート・アルバイトの平均時給は年々上昇傾向にあります。もちろん、賃金の引き上げだけでなく、働く側のメリットを増やすことで応募者に選ばれる職場を目指しましょう。
柔軟なシフト制度を導入する
次に効果的なのが、柔軟なシフト制度の導入です。特に学生や主婦(夫)など、ライフスタイルに合わせた働き方を希望する層にとっては、シフトの柔軟性が大きな魅力になります。
たとえば、「1日3時間からOK」「週1日からOK」「シフト自己申告制」など、柔軟な働き方を提示することで、応募のハードルを下げることができます。
採用方法の見直しで応募数を増やす
採用方法そのものを見直すことも、応募数増加につながります。紙媒体や求人情報誌だけでなく、求人サイトへの掲載やSNSの活用など、多様なチャネルを活用しましょう。
InstagramやTikTokといったSNSでは、店舗の雰囲気やスタッフの声をリアルに発信できるため、若年層へのアプローチに効果的です。
また、採用管理システム(ATS)を導入し、応募から面接、採用までのフローを効率化することで、スピーディーな対応が可能になります。応募者の離脱を防ぐには、面接までの期間を短縮することが大切です。
外国人やシニア層を積極的に採用する
近年、シニア層や外国人労働者の活用も注目されています。
シニア層については、豊富な経験と安定した勤務態度が評価されており、特に接客や軽作業などの現場で活躍が期待されています。健康志向の高まりから「働き続けたい」というシニアも増えており、企業側も積極的に受け入れる動きが強まっています。
また、外国人労働者の採用も有効な選択肢です。コンビニエンスストアや飲食店など、日常的な業務が中心となる職場では、外国人スタッフが戦力として活躍しています。技能実習制度や特定技能制度などを通じ、外国人労働者の受け入れが拡大中です。
採用にあたっては、丁寧な業務マニュアルの整備やサポート体制の強化、多様性を尊重する職場づくりを進めることで、長期的な人材確保につなげることができるでしょう。
外国人アルバイトの採用について、詳しくは下記をご覧ください。
>>外国人アルバイトの採用方法 | 雇用時の注意点や在留資格を解説
働きやすい職場づくりをする
最後に、働きやすい職場づくりも欠かせません。離職率を下げることで採用コストを抑え、長く働いてもらえる環境を整える必要があります。
たとえば、定期的に面談を行い、悩みや不満を早期にキャッチアップすることで離職を事前に防ぎやすくなります。新人研修を充実させたり、マニュアルを整備し業務の不安を減らしたりすることも効果的です。
また、アルバイト・社員にかかわらずスタッフ同士で「ありがとう」を伝える文化づくりや、スタッフ同士のコミュニケーションを活性化するイベントの実施も、職場の雰囲気を良くし、定着率向上につながるでしょう。
アルバイトの採用手法についてはこちらで詳しく解説をしていますので、下記をご覧ください。
>>アルバイトの採用手法|最新トレンドと成功のポイントを解説
人手不足の中でもスムーズにアルバイトを採用するには?
このようにアルバイトの人手不足が深刻化する中で「必要なときに、必要な人数を確保する」という課題に直面している企業が増えています。こうした状況を受けて、アルバイトの採用活動やシフト管理を効率化し、より柔軟に人材を確保できる仕組みが求められています。
そこでおすすめなのが、Payment Technologyが提供する「エニジョブ」です。 「エニジョブ」を活用すれば、短期雇用の人材確保からシフト調整、さらに給与計算までを一元管理でき、採用担当者の負担を大幅に減らせます。特に、これまで勤務した経験のあるスタッフを再雇用できる機能が強みで、即戦力となる人材をスピーディーに採用できるのが特徴です。
まとめ
アルバイトの人手不足は、働き手の人口減少や働き方の多様化など、さまざまな要因が絡み合って生じています。しかし、募集条件や採用方法を見直し、職場環境を整えることで、状況を改善することは十分に可能です。
今回ご紹介した解消法を参考に、まずはできることから着手してみてください。アルバイトが集まりやすく、定着しやすい店舗づくりができれば、長期的な運営の安定にもつながります。そして、より効率的に人手不足を解消したいとお考えの方には、「エニジョブ」の導入もおすすめです。「エニジョブ」を活用すれば、採用活動からシフト管理、給与計算まで一括で対応でき、人手不足解消に向けた負担を大幅に軽減できます。人材確保に悩む今こそ、効率的な採用と定着率向上を目指しましょう。
「アルバイトの人手不足を解消したい」とお考えの企業の方は、ぜひ「エニジョブ」を検討してみてください。人手不足を解消し、安定した店舗運営に役立つ強力なサポートとなるはずです。