2023/12/05
BtoB決済

売掛金を回収する手段として差し押さえについて知っておこう!

取引先とのやり取りをするうえで売掛金を使う場面は多いと思いますが、きちんと管理できているでしょうか。
取引先の企業の与信を適切に測るのは当然ですが、仮に売掛金を回収できないとなった場合はどうするのでしょうか。
その場合は取引先の持つ売掛金を差し押さえる方法があります。
差押えというフレーズ自体は聞いたことがあると思いますが、実際にはどのような手続きで何が行われているのでしょうか。
この記事に目を通して、万が一売掛金の回収が困難になったときでも、差押えなどを選択肢のひとつとして加えられるように基礎から学びましょう。

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売掛金の差押えと仮差押えとは

差押えと仮差押えとはそれぞれ何を示す言葉であるかを理解して、実際のシーンを想定できるようにしましょう。

・差押えって何?

差押えとは、裁判の判決や命令に基づいて、債務者の資産を強制的に取り立てることを意味します。
債権者は、法的な手続きを経て、債務者の資産を差押え、債務の返済に充てることができます。

・仮差押えって何?

仮差押えとは、裁判の結果が出る前に、債権者が債務者の資産を一時的に凍結する手続きを意味します。
債権者は、将来の裁判で勝訴する可能性があることを示し、裁判所に申し立てを行うことにより、仮の差押えを行うことができます。
これは裁判の間に債務者が資産を隠したり、逃がしたりすることを防ぐための措置となります。
つまり、差押えは債務の確定後に行われる最終的な資産の取り立て手続きであり、仮差押えは裁判の結果が出る前の一時的な資産の凍結手続きを意味します。

差押えの対象となるものとは

価値のあるものはすべて差押えの対象になるのでしょうか。
どのような資産が差し押さえの対象となるかを把握しておきましょう。

・不動産
家、土地、ビルなどの不動産が差押えの対象になり得ます。

・動産
車、家具、工芸品などの動産も差押えられることがあります。

・給与、賃金、年金
債務者の収入の一部(給与、賃金、年金など)が差押えの対象となることがあります。
ただし、生活に必要な最低限度の金額は保護されるため、全額が差押えられるわけではありません。

給料などの場合に関しては、生活に関わるものであるため、差押えの上限は決まっており、手取りが33万を超える場合と超えない場合の2つのパターンによる上限が設けられています。

①手取りが33万円を超えない場合➡手取りの4分の1の金額を差し押さえることができます。

②手取りが33万円を超える場合➡手取りから33万円を差し引き、残ったすべての金額を差し押さえることができます。

②の金額より①の金額の方が大きい場合は①のパターンを採用します。

・銀行口座
債務者の銀行口座内の預金も差し押さえの対象です。

・株式や債券
株式や債券などの有価証券も差押えることができます。

・知的財産権
著作権、特許権、商標権などの知的財産権も差押えの対象となりうる。

差押えは法的な手続きに基づいて行われ、債務者の基本的な生活を保護するため、生活必需品や最低限度の生活費などは通常、差押えから除外されます。
また、差押えの具体的な適用範囲や方法は、各国の法律や個々のケースによって異なることもあります。

売掛金を差し押さえにするメリット・デメリット

損害を最低限に抑えるためとはいえ、片っ端から差押えにすればよいわけではありません。x
売掛金を差押える場合で考えると何がメリット、デメリットとしてあげられるか確認しましょう。

・売掛金を差し押さえにするメリット

売掛金は債務者が将来受け取る現金であるため、これを差し押さえることで、債権者は確実に資産を回収できる可能性が高まります。
また物理的な資産の差押えよりも手続きが迅速であり、比較的簡単に行える場合が多いです。
さらに、売掛金の差押えは、債務者の日常業務や現金流に直接的な影響を与えにくいため、比較的穏便な回収方法となり得ます。

・売掛金を差し押さえにするデメリット

売掛金が最終的に回収できるかどうかは不確実であるという問題があります。
というのも、売掛金を買い取った第三者が支払いを拒否するケースがあり、売掛金の状態も把握しておきたいところです。
また債務者と売掛金の買い主との関係を調整する必要があり、法的な争いに発展する場合もあります。

売掛金の差押えは効果的な回収手段である一方で、その実行には慎重な判断と適切な法的手続きが必要です。

売掛金を差し押さえにする際に必要なもの

売掛金を差押えるにあたって、売掛金を実際に持っているかを確認する必要があります。
そのため、売掛金を持っていることを証明する公的な文書を入手しなければなりません。
このように売掛金などの請求権を証明する文書が債務名義となります。
債務名義とは「確定判決」「仮執行宣言付判決」「和解調書」「調停調書」「執行認諾文言付公正証書」「仮執行宣言付支払督促」などを指しており、これらの債務名義を裁判所に提出することにより差押えができます。

売掛金の差押え・仮差押えにおける手続き

大まかな一連の流れとしては、仮差押➡訴訟➡差押えの順序で手続きが進んでいきます。

まずは仮差押えを行うことになります。ここでは債権者や取引先の住所などにもとづいて裁判所へ申し立てを行います。

そこから、訴訟手続きに移る前に督促を行い、督促に応じない場合は訴訟手続などの法的手段をとることになります。
訴訟手続きの目的は債務名義を得ることにあり、債務名義の取得により回収行為が可能となります。

ここまでの工程を踏むことで強制執行の申し立てを行い、財産を差押えることができます。

また、差押えの対象は不動産や給与債権など様々ですが、生活必需品に関わるものなどの一部は差押えの対象とならない場合もあるため注意しましょう。

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まとめ

差押えについて紹介いたしましたが、取引先からの売掛金が回収できなくなった際の策として、必ずしも安全なものであるとは限らないことがわかると思います。
まず差押えを実行するまでに時間はかかりますし、取引先の周辺企業との関係も気になります。
また差押えのできない財産もあることから注意が必要です。
最後の手段として、差押えを実行する上での手順を把握しておく必要はありますが、売掛金の貸倒れが発生しないことが一番なので取引先の経営状態には注意するようにしましょう。

執筆者 B.M

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