2025/01/16
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“やらない経営”が生む働きやすさ──幅広い世代が辞めない居酒屋『晩杯屋』の秘密

本メディアは、【企業と若手から経験豊かな世代のつながり】をサポートしています。

インタビュー取材を通じて、企業の魅力や強み、そしてワーカーが働きやすい環境づくりについて紹介して参ります。

第1回目は「美味しい料理とお酒を、年齢に関係なく楽しめる居酒屋”晩杯屋”ブランドを経営する」株式会社アクティブソース様を取材いたしました。

“人手不足”に悩む多くの企業とは対照的に、人材確保と離職率の低さを実現している同社の秘密に迫りました。

 

取材対象者:株式会社アクティブソース 管理本部人事総務部部長 鈴木様

 

「社員があまり辞めないんです」──どんな世代も活躍できる居酒屋チェーン

煮込みや刺身、おでんなどの“酒場メニュー”をリーズナブルに提供する「晩杯屋」を運営するアクティブソース社。
同社は飲食業界のなかでも珍しく、「いろんな年代・タイプの人材が集まり、しかも辞めない」と評判です。ときには20代の新卒もいれば、最近では50代後半の方の正社員登用例も。
社員の年齢層は幅広く、マニュアルに縛られない独自の経営スタイルが、その要因だといいます。お話を伺ったのは人事総務部の鈴木部長。

オフィスに足を踏み入れると、居抜きの居酒屋をそのまま“本社”に転用していることにも驚かされました。

 

1.徹底したコストカットで“給与に還元”、辞めない仕組みに

アクティブソース社の特徴は「無駄なコストを徹底的に削減し、商品価格と社員の給与に還元する」こと。人事総務部と経理部以外の管理本部機能を持たず、研修やイベントなども極力行いません。

鈴木部長(人事総務部)
「本社の設備や多種多彩なイベントを充実させれば、一見“手厚い会社”に見えます。でもそれらは結局どこかでコストとして跳ね返り、お客様負担やスタッフの労力に繋がる。私たちはむしろ給与やボーナスなど“金銭的利益”できちんと還元する方が、働き手にとって魅力的だと考えています」

この方針は、たとえばお店での“やらないサービス”にも表れています。おしぼりやの無料提供や取り皿はなく、必要なら購入してもらうスタイル。少数精鋭の経営で利益率を高め、その分をスタッフの給与アップに振り向ける仕組みです。

 

 

2.マニュアルを最小限しか作らないからこそ多様な人材が活きる

もうひとつの要が「徹底した現場裁量」です。店舗には接客マニュアルが存在せず、挨拶やおすすめの仕方なども各スタッフに任されています。

鈴木部長
「同じチェーン店でも、スタッフの個性で売上が30%ほど変わるケースもあるんです。居酒屋って“お酒と料理”だけでなく“雰囲気”を味わいに来るもの。20歳の若手からベテラン主婦、さらには定年が近くなってから新たに正社員になった50代後半の方まで、みんな自分の接客スタイルで“色気ある酒場”を作ってくれています」

幅広い年齢・背景のスタッフが活躍

  • 年齢を問わない“フラット”な採用方針
    「若い人が欲しい」という発想はなく、20代・40代・50代、さらには70歳のスタッフまで幅広く在籍。最近では50代後半で正社員に登用された例もあり、実力とやる気があればいつでも挑戦が可能だそう。
  • 短時間研修ですぐ現場へ
    多くの外食チェーンが実施するような大型研修はなく、マニュアルも最小限。まずは現場で「やってみる」ことで学習し、わからないことは隣の先輩に聞けばOK。魚を丸ごと仕入れてさばくなど、調理工程もある程度スタッフに任されているため、働きながらスキルが身につきます。
  • “自由度の高さ”が働きやすさに直結
    例えば接客が苦手な人は厨房中心で、コミュニケーション好きな人はフロア中心で活躍するなど、個々に合ったポジションを選びやすい。お客様に合わせて臨機応変に動けるので“対人接客のストレス”が少ないのも定着率を高めています。

 

 

3 なぜ辞めない? 働き手を引きつける3つの理由

  1. 給与・ボーナス重視のやりがい設計

「やりがい」を言葉で掲げるのではなく、あくまで成果は給与やボーナスに反映。“大がかりな研修・イベント”をカットしてでも、待遇を良くする方針がスタッフの意欲につながり、辞める人を少なくしています。

  1. 短期間での評価フィードバック

社員は3カ月に1回の評価制度があり、自己評価と上司の評価を合わせて昇給を判断。アルバイトも一定時間働くことで時給アップするなど、誰でも成果が数字になりやすい仕組みを整備。
「早く成長して評価されたい」という人ほど短いサイクルでチャンスが訪れるため、定着率向上につながっています。

  1. 現場が主体的に創意工夫できる

レシピや値段は全店共通でも、メニューの推し方や魚の加工方法などは店舗で自由。スタッフ発案で「煮付けに使う部位を変える」「ホワイトボードに書く手書きPOPを工夫する」など、店ごとの個性が生まれます。自分で考えた取り組みがお店の売上アップにつながれば、スタッフ自身のモチベーションも高まり“自分ごと”として働けるのが特徴です。

4 人材難に悩むなら“やらない”を徹底してみる

「研修制度の充実」や「サービスの拡大」を図る会社が多いなか、アクティブソース社は逆に「やらないこと」を積み重ねる姿勢で人が辞めず、人材も集まる好循環を生んでいます。

鈴木部長
「コストをカットし、その分をお客様への価格やスタッフの給与・ボーナスに反映する。それがシンプルなわりに強力な“人が辞めない”仕組みだと思っています。うちは、若い人もいれば50代や60代の人も——実は最近70代のスタッフも増えてますし。みんなが自由度の高い現場で活躍できるのは、そうした割り切った経営を続けているからかもしれませんね。
また“マニュアルがない”からこそ、自分なりのやり方でお客様を楽しませられる。そういう創意工夫が給与にも繋がるから、みんな辞めずに続けてくれているんだと思います。」

 

 

まとめ:あらゆる世代が自分らしく働き、辞めない会社

20代の若者から40~50代のミドル、さらに定年近くになってから正社員になる人まで、幅広い層が活躍するアクティブソース社。「余計なものはやらない」「本社機能は最小限」「現場主体のアイデアを評価」「給料で報いる」という姿勢は、かえってスタッフの自由度と満足度を高め、離職率の低下をもたらしています。
飲食業をはじめ、多くの企業が頭を悩ませる“人材難”。しかし同社の事例を見ると、“研修づくし”や“若手偏重”ではなく、あえて“やらない経営”と“フラットな採用・登用”こそ、定着のカギになるのかもしれません。

会社概要(簡易)

  • 社名:株式会社アクティブソース
  • 展開ブランド:「晩杯屋」ほか
  • 特徴:スリムな本社機能・マニュアルに縛られない現場裁量・幅広い年代が活躍(20代~70代まで)
  • 採用について:バイト・正社員ともにフラットに登用。50代後半から正社員に挑戦したケースもあり、“希望とやる気”があればいつでもチャンスあり。

 

 

株式会社アクティブソースHP:https://active-source.co.jp/

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