2023/12/04
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もし取引先が倒産したら?何から対応すべきかを解説

もし取引先が倒産したら、あなたのビジネスはどうなるのでしょうか? この記事では、取引先の倒産に直面した際に取るべき具体的なステップと対策を解説します。
取引先の倒産は予期せぬ事態ですが、適切な準備と対応を知っておくことは重要です。

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「倒産」とはどのような状態を指す?

「倒産」とは、簡単にいうと、会社がお金を稼ぐ力を失い、借金を返せなくなる事態です。
これは、ある日突然起こることもあれば、売上の低迷、財政管理の不備、市場環境の悪化などにより、徐々に追い込まれることもあります。
日常的に使用する「倒産」という言葉は、法律用語ではありません。
一般的には「企業経営が行き詰まり、弁済しなければならない債務が弁済できなくなった状態」を指します。
具体的には、以下に挙げる6つのケースのいずれかに該当すると認められた場合を「倒産」と定めます。

1 銀行取引停止処分を受ける※1
2 内整理する(代表が倒産を認めた時)
3 裁判所に会社更生手続開始を申請する※2
4 裁判所に民事再生手続開始を申請する※2
5 裁判所に破産手続開始を申請する※2
6 裁判所に特別清算開始を申請する※2

※1 手形交換所または電子債権記録機関の取引停止処分を受けた場合
※2 第三者(債権者)による申し立ての場合、手続き開始決定を受けた時点で倒産となる

倒産は会社を清算(消滅)させる”清算型”と、事業を継続しながら債務弁済する”再建型”に分けられます。

清算型:「破産」「特別清算」、大部分の任意整理
再建型:「会社更生法」「民事再生法」、まれに任意整理の一部

引用:帝国データバンク「倒産の定義」

倒産にはいくつかの形態があり、「破産」はその中でも最も深刻な形態で、法的な手続き(裁判所の監督のもと)を通じて会社の資産を清算し、債権者への支払いを行う手続きのことを指します。
破産以外にも、会社の再建を試みる民事再生、事業の一部または全部を他社に譲渡する会社更生、そして自主的に事業を清算する清算などがあります。
倒産は単に会社の終わりを意味するだけでなく、従業員、取引先、投資家など多くの関係者にも大きな影響を及ぼします。
会社が倒産すると、従業員は職を失い、取引先は未回収のお金(売掛金)を抱えることになります。また、株主や投資家は投資した資本を失う可能性が高くなります。
このように、倒産は企業にとって深刻な事態であり、それを回避するためには、早期のリスク識別と対策の実施が不可欠です。
売上の減少、資金繰りの悪化、債務超過などの兆候には、迅速に対応する必要があります。

取引先が倒産したときの対応一覧

前述の通り、取引先が倒産してしまうと未回収のお金(売掛金)を抱えることとなってしまいます。
倒産しそう、倒産したときの対応についての速やかにとる必要のある行動は以下となります。

1.取引先の状況の確認をする

最初のステップは、取引先の現在の状況を正確に理解することです。
倒産の具体的な理由、どのような法的手続きが行われているのか(破産手続き、民事再生手続きなど)、現在の財務状況など、できるだけ多くの情報を収集します。
例えば、帝国データバンクのHPで「倒産・動向速報記事」では原則負債額30億円以上の倒産情報が直近40件まで掲載されています。
こちらから情報を引っ張ってくるのも1つ手です。そこからではわからない情報は、取引先自体が営業を継続しているか否かによっても変わってきます。
倒産といっても、再生型と清算型の2種類があり、再生型であれば営業は継続していますが、清算型であると営業は終了です。(出典 帝国データバンク

代表者の所在を確認する意味合いも含めて、直接連絡を企業もしくは代表者へ連絡を取ることを試みましょう。

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2.債権債務の確認をする

次に、取引先との間の未解決の債権債務関係を確認します。
未払いの売掛金、未納品の商品、未完了の契約など、あなたの企業が取引先に対して持っている権利と義務を詳細に把握します。
これは、今後の回収戦略を立てる上で不可欠です。

3.相手方との交渉を試みる

取引先との間で、債権回収に関する交渉を行います。交渉のプロセスには以下のような行動が含まれます。

(1)契約上の未納品があれば納入をストップする

もし契約上、まだ納品されていない商品がある場合、これ以上の損失を防ぐために納入を中止します。
これにより、未回収のリスクを抑えることができます。

(2)自社の納入商品があれば引き渡しを求める

もし既に納入されたが、まだ代金が支払われていない商品がある場合は、その引き渡しを求めます。
倒産した取引先がまだ商品を保有している場合、それを回収することが可能です。

(3)他の資産を譲り受けるか、追加で担保・保証を受ける

取引先が保有する他の資産を譲り受けたり、追加で担保や保証を受けることも、回収戦略の一部としてあります。
これにより、回収可能な資産を最大限に確保することが目指されます。
これらの対応は、取引先の倒産に伴うリスクを最小限に抑え、可能な限りの債権回収を実現するために重要です。
早期の情報収集と迅速な行動が、効果的な対応の鍵となります。

相手が交渉に応じない場合の対応

取引先があなたの要求に応じない場合、その対処方法として「仮差押え」と「仮処分」という法的措置があります。
これらはあなたの権利を守り、最終的にはお金を回収するための効果的な道具となり得ます。
まず「仮差押え」についてです。 これはあたかも、取引先の資産に「一時停止」をかけるようなもの
具体的には、取引先の銀行口座や不動産などの資産を一時的に掌握し、あなたの債権を保護するための措置です。
この手続きを始めるためには、裁判所に特別な申立てをし、請求額の15~20%の保証金を支払う必要があります。
ただし、この保証金は、裁判が終わるまで返ってこないので、その点は注意しましょう。
次に「仮処分」ですが、これは金銭以外の債権に焦点を当てた措置です。
例えば、あなたが売った商品が未払いのままだった場合などに有効です。
この手続きには裁判所に申し立てをし、こちらも請求額の20~30%の保証金が必要になります。
仮処分は、取引先の特定の行動を一時的に停止させるか、特定の状態を維持するために用いります。
これらの措置は非常に専門的で、手続きも複雑です。
ですから、この道のプロである弁護士に相談し、スムーズかつ効果的に手続きを進めることをお勧めします。
弁護士のアドバイスは、このような状況でのあなたの最良の味方となるでしょう。

倒産・破産する会社の予兆とは

企業が倒産や破産に向かう場合、通常、いくつかの予兆がみられます。
これらのサインを見逃さなければ、取引先のリスクを事前に把握し、適切な対策を講じることが可能です。
特に、以下のような変化には注意が必要です。

経営者や従業員の変化

経営層や従業員の頻繁な入れ替わりは、会社の内部に問題がある可能性が高いです。
経営者の交代や主要な役員の退職、重要な従業員の大量離職などは、企業の不安定さを示唆している場合があります。
これらの変化は、企業の戦略的方向性、経営状況、または内部の不和を反映していることが多いとみられます。
そのため、取引先の経営陣や従業員の動向(担当者変更等)には注意してみることも大切です。

支払い時期や方法の変更

もし取引先が支払いの期間や方法を頻繁に変更してくるようであれば、財務面での問題を抱えている可能性があります。
特に、支払い期間の延長要求(例えば、支払いサイトの変更など)や、通常と異なる支払い手段(例えば、現金ではなく手形を使用するなど)への切り替えは、資金繰りの問題の前触れであることが多いです。
これらの変更は、取引先が資金繰りの問題に直面していることを暗示しているとも推測されるため、特に売掛金や買掛金の回収に関しては注意が必要です。

不祥事の発生

企業が関与する不祥事やスキャンダルも、倒産や破産への道を加速させる要因となり得ます。
これには、法的問題、財務報告の不正、経営陣の不適切な行動などが含まれます。
不祥事は、企業の信用失墜を招き、顧客や投資家の信頼を失う結果をもたらす可能性があります。
これにより、売り上げの減少、資金調達の困難、最終的には財務的な危機につながることがあるのです。
これらの予兆に注意を払い、取引先の状況を適時に確認することは、自社のリスク管理において非常に重要です。

取引先が倒産(破産)した場合のリスク

取引先が倒産または破産するというのは、ただ単にビジネス関係が終わるという以上の意味を持ちます。
これには、あなたのビジネスに及ぼす複数のリスクが伴います。
こうした事態は、会社の財務状況や市場での立場にも影響を及ぼす可能性があります。

売掛金の回収不能

最も直接的に起こる影響は、売掛金の回収不能です。
取引先が財政的に破綻すると、彼らからの未払い売掛金を回収することが極めて困難になります。
特に、大口の取引先が倒産する場合、その影響は深刻で、企業のキャッシュフローに大きな穴が開くことになりかねません。
売掛金は企業の重要な収入源であり、これが回収できないことは収益性に直接的な打撃を与えるため、企業の財務計画や投資計画にも影響を及ぼす可能性があります。

連鎖倒産のリスク

また、ひとつの企業の倒産が連鎖的な影響を及ぼすこともあります。
特に、その取引先があなたのビジネスにとって重要な役割を担っていたり、業界内で大きな影響力を持っていたりする場合には、その倒産は他の関連企業にも財政的な困難を引き起こす可能性があります。
これは「連鎖倒産」と呼ばれ、一企業の問題が業界全体に波及することがあります。
あなたの企業がその取引先と深く関連している場合、特にその影響を受けやすくなります。

取引先が倒産・破産後、売掛金・債権の回収が見込めない場合の対応

取引先が倒産や破産すると、あなたの会社が抱える売掛金や債権の回収は困難になってしまいます。
このような状況では、未回収の債権をどのように扱うかが重要な問題となり、適切な対応を行うことで損失を最小限に抑えることが可能です。

損金処理

回収不能となった債権は、損金処理を通じて税負担を軽減することができます。
損金処理とは、簡単にいうと税法上でも損金として認められる費用のことで、経理上の手法のひとつのことをいいます。

これは、回収不能な債権を財務報告上の損失として扱うことで、企業の税負担を減らす方法です。
ただし、この損金処理を行うためには、債権が実際に回収不能であるという証拠が必要です。
税法上の規定と会社の会計基準に従い、適切な文書記録と計算を行うことが重要です。

債権放棄通知書(ひな形)

場合によっては、債権放棄が最善の選択となることがあります。
債権放棄を決定した場合、正式な手続きとして債権放棄通知書を作成し、関連する当事者に通知する必要があります。
この文書は、債権を放棄する意思を明確に示す法的な文書であり、将来の紛争を防ぐためにも、正確かつ適切に作成することが求められます。
以下、債権放棄通知書(ひな形)です。参考にしてみてください。

債権放棄通知書


(内容証明として通知)株式会社□□□□(以下「甲」という)は、株式会社△△△△(以下「乙」というに対する、令和〇〇年〇〇月末日現在、下記売掛金債権を有しておりますが、諸般の事情に照らして、本書面をもって書き債権全額を放棄いたします。


1. 契約日   令和〇〇年〇〇月〇〇日
2. 商品     〇〇〇〇
3. 商品代金   金〇〇万円
4. 商品の引渡日 令和〇〇年〇〇月〇〇日
5. 商品代金の支払期限 令和〇〇年〇〇月〇〇日

以上


令和〇〇年○○月○○日

(甲)住所 東京都〇〇区〇〇 〇丁目〇番〇号
会社名 株式会社□□□□
代表取締役 〇〇〇〇
(乙)住所 埼玉県〇〇区〇〇 〇丁目〇番〇号
会社名 株式会社△△△△
代表取締役 〇〇〇〇殿

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取引先が倒産・破産し売掛金・債権の回収ができなくなることを防ぐ準備

ビジネスを行ううえで、取引先の倒産や破産は避けられないリスクのひとつです。
このような状況に陥った時に売掛金や債権が回収できなくなることを最小限に抑えるため、事前の準備が非常に重要です。
特に、契約書の適切な作成や担保権の設定など、法的な保護措置を講じることも必要です。

契約書の作成

売掛金や債権の回収を確実にするためには、はじめから詳細かつ明確な契約書の作成が不可欠です。
契約書には、支払い条件、遅延時のペナルティ、破産や倒産が発生した場合の取り決めなどを明記することが重要です。
例えば、支払い期限の設定、分割払いの条件、遅延利息の適用など、支払いに関する詳細を具体的に定めます。
また、デジタルコミュニケーションが主流の現代では、メールでのやりとりや電子署名も契約の一部として扱われるため、電子文書の取り扱いに関する条項も契約書に含めるとよいでしょう。

担保権の設定

取引先の破産や倒産リスクに備えて、担保権を設定することも有効な対策のひとつです。
担保権とは、簡単にいえば、借金の返済が滞った場合に、貸し手が借り手から受け取った資産(担保)を売却し、その売却金で借金を回収する権利のことです。
たとえば、あなたが誰かにお金を貸すとき、その人が借金を返せなくなった場合の保証として、不動産や車など何かの資産を担保に取ることがあります。
この場合、もし借り手が約束した期間内に借金を返せなければ、あなたは担保に取った資産を売却し、その売却金で借金を回収する権利があります。
ビジネスにおいては、この担保権を設定することで、取引先が支払い不能になった際のリスクを軽減することができます。
例えば、企業が他の企業に大量の商品を販売する際、購入代金の支払い保証として購入企業の資産を担保にすることができます。
これにより、もし購入企業が代金を支払えなくなった場合、販売企業は担保にされた資産を売却し、損失を回収することが可能になります。
担保権は、貸し手にとってはリスクヘッジの手段であり、借り手にとっては信用力を示す手段となるため、金融取引や商取引において広く利用されています。

まとめ

取引先の倒産は、どのビジネスにとっても厳しい挑戦です。
この記事では、売掛金の回収不能や連鎖倒産のリスクに対処する方法を詳しく解説しました。
契約書の適切な作成、担保権の設定、リスクへの備えなど、事前に適切な措置を講じることが重要です。
この先、取引先の倒産に直面した際には、この記事が少しでも参考になれば幸いです。

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執筆者 M.S

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