2023/12/11
請求書

電子帳簿保存法が意味するのは?基本的な知識と対応方法を解説します!

 

現在、多くの企業でペーパーレス化やリモートワークの導入が進んでいる中で、電子帳簿保存法が改正されたことでそれらの動きがより加速しております。
本記事では、改正された電子帳簿保存法による変更点をご紹介することで、メリットなどを分かりやすく解説していきます。

電子帳簿保存法やインボイス制度への対応が求められるなかで、どのように対応したらよいか考えるのは大変ですよね。
そこでPayment Technologyの「請求書クラウド」は電子帳簿保存法とインボイス制度のどちらにも対応しており、クラウド上で請求書の発行・管理ができるサービスを提供しております。

電子帳簿保存法の基本的な知識

2021年の電子帳簿保存法の改正により、これまでのデータ管理方法を変えなくてはならないかもしれません。

 

・電子帳簿保存法とは?

そもそも電子帳簿保存法とは1998年に制定された法律であり、当初は電子データとして作成されたものを電子データで保存することを可能にするものでした。
つまり、紙の書類などをスキャンして電子データにより保存することは認められておりませんでした。
その後の改正で紙の書類を電子データとして保存することも可能となりました。
また、2021年の改正により、電子データで受け取ったものなどに関しては、猶予期間はありながらも電子データとしての保存が義務化されることも決まりました。(その後猶予期間延長)

 

・電子帳簿保存法の要件について

電子帳簿保存法に正しく適応していくには、電子保存における要件を満たす必要があります。
具体的には、真実性の確保と可視性の確保という2点を満たす必要があります。
真実性の確保とは、保存したデータに対する改ざんを防止し、データの修正や削除が行われた場合の詳細を確認できるようにすることを意味しており、安全性と透明性を確保するために重要です。
これにより、保存されたデータが正確で信頼性があり、必要に応じて変更の履歴を追跡できる状態を維持します。
具体的には、データに加えられたあらゆる修正や削除が記録され、いつ、誰によって、どのような変更が行われたかを確認できるようにする必要があります。
可視性の確保とは、保存されたデータは、いつでも容易に閲覧し、出力することが可能な明瞭な状態で管理されることを意味します。
さらに、必要なときには迅速にアクセスして情報を参照できるよう、常に利用準備が整えられている必要があります。
つまり、保存されたデータはいつでも簡単に確認でき、迅速に情報を取り出せるように整備されている状態を指します。

 

・電子帳簿保存法制定の背景と目的について

電子帳簿保存法はデジタル化の流れを背景に企業としてもIT化を促進することで、業務効率の向上コスト削減を目的としてスタートした経緯がありました。
しかし、制定直後は電子保存に関する要件が厳しく、普及が十分に進まなかったため、改正を経て徐々に企業が電子保存を導入できるようにシフトしていきました。

 

電子帳簿保存法改正におけるポイント(2022年1月施行)

データの電子化のさらなる導入の増加のために、この度の電子帳簿保存法の改正により、保存に際して必要とされる要件が大幅に緩和されることとなりました。

 

・事前承認制度の廃止

従来の電子帳簿保存法では、国税関係帳簿書類の電子データ保存などに関しては税務署への事前申請および承認が必要でした。
しかし、改正後は税務署への事前申請・承認が不要になり、即座に運用を開始することが可能となりました。

 

・検索機能要件の緩和

これまで、検索要件に関して複雑なものとなっておりましたが、改正後の緩和により「取引先」、「取引金額」、「取引年月日」の情報により検索が可能となりました。

 

・タイムスタンプ要件の緩和

まずタイムスタンプとは、電子化された文書が原本であることを証明する技術であり、付与された時刻に書類が存在していることや、付与時刻以降は書類が変更されていないことが証明できます。
このタイムスタンプに関して、改正前は付与期間がおよそ3営業日以内とされておりましが、およそ2カ月ほど期間が延びることになりました。

 

・ペナルティの強化

今回の電子帳簿保存法の改正により、電子データ保存などに関する要件は緩和されましたが、その分だけ不正が発生する可能性が高くなったとも言えます。
そこで、電子データなどに関して改ざんなどによる不正が発覚した場合は、通常の重加算税にプラスして10%が加算されることになります。
また青色申告の承認が取り消される可能性や違反内容によっては会社法に抵触し、過料が科せられる場合もあります。

 

・「紙保存措置」の廃止

これまで、請求書や領収書の書類をPDFやメールなどの電子データで受け取った場合、それらを紙に印刷して保存するという、紙による保存が認められていましたが、2022年1月より、電子で受け取った取引情報は電子データのまま保存することが原則となりました。
つまり、電子データを紙にして保存することができなくなったということです。
この原則に関しては2023年12月31日までが猶予期間となっておりましたが、その後に猶予期間の延長が決定されました。
いづれにしても完全電子化によるメリットはコスト削減や業務効率化へとつながるため、電子帳簿保存法に適応していくことは最良の選択だといえます。

 

迫る電子取引要件への対応方法!

2024年1月以降も猶予期間が延びたものの、今後の展開も考慮して、電子帳簿保存法への特に重要な対応を頭に入れておきましょう。

 

・ポイント①「検索性の確保」への対応

●可視性の要件
 ※以下を全て満たす必要があります。
①モニター・操作説明書等の備付け
②検索要件の充足

 

・ポイント②「データの真実性を担保する措置」への対応

●真実性の要件
 ※以下のいずれかを満たす必要があります。
① タイムスタンプが付与されたデータを受け取る
② 保存するデータにタイムスタンプを付与する
③ データの授受と保存を、訂正削除履歴が残るシステムやそもそも訂正削除ができないシステムで行う
④ 不当な訂正削除の防止に関する事務処理規程を制定し、遵守する

 

電子帳簿保存法に対応するメリット

電子帳簿保存法に対応することでどのようなメリットがあるのでしょうか。
具体的なメリットを把握して、前向きな対応へとつなげましょう。

 

・ペーパーレスによるコスト削減

帳簿書類を紙ベースで管理する際には、紙代、印刷費、郵送費などの直接的なコストのほか、文書の保管スペースを用意する必要や、ファイル整理、封入作業などの手間が生じます。
電子帳簿保存法に沿ったペーパーレス化を進めることで、これらの経済的および人的コストを削減することが可能です。
文書管理にかかる費用を減らし、文書処理に関わる作業時間を短縮することができるということです。

 

・帳簿書類の検索性向上・業務効率化

文書などの管理を紙で行っていた場合は書類を探すのにも時間がかかっていましたが、電子データの保存により、検索機能が充実することで管理部門による業務の効率アップが考えられます。

 

・コンプライアンス・ガバナンスの強化

電子帳簿保存法に対応することはタイムスタンプなどの機能も利用することになるため、改ざんなどの不正行為を防ぐことになります。

 

電子帳簿保存法に対応した請求書管理をしましょう!

PaymentTechnologyでは「請求書クラウド」という電子帳簿保存法に対応した請求書の受領・発行のできるサービスを提供しており、月額980円で初期費用もかからないため、お気軽に導入を検討していただけたら幸いです。

 

まとめ

電子帳簿保存法に対応することでこれまでのやり方から大幅に変更しなければならない企業もあるかもしれませんが、対応によるメリットは多く、これまで必要以上に発生していた経費を抑えることやリスク回避にもつながる一面を持ち合わせています。
今後も電子帳簿保存法に対応する企業もますます増えていくことが予想できるため、猶予期間はありますが、早めの対応を心がけましょう。

執筆者 B.M

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