2023/08/25
請求書

インボイス制度に対応すると税負担が増えるのか

インボイス制度が始まることによって廃業する人たちがいるとされる理由の1つに「税負担の増額」があげられます。今までは年商が1,000万円以下の事業者は免税事業者とされていましたが、インボイス制度に加入することで年商1,000万円以下の事業者も消費税を納めなければならなくなります。
今回は、インボイス制度に対応することで具体的にどの程度の税負担が増えるのかということについて紹介していきます。

■実は受け取る側に負担が?

インボイス制度が始まることによっての税負担の増額は、事業者に報酬や料金を支払う側ではなく、受け取る側に負担を強いるシステムになっています。今までは年商が1,000万円以下の事業者の場合、取引先から消費税を受け取っても国に納めなくても良い免税事業者とされていました。
しかし、インボイス制度が始まって免税事業者から課税事業者になると、今まで納めなくても良かった消費税を納めなければならなくなります。この点で税負担が増えることによって収入が減り、廃業しなければならない人が増えるとされています。
利益率の高い商売をしていて、年商が1,000万円にギリギリ届かない、800万円~900万円というような事業をしていた人にとっては気にならない数字かもしれませんが、年商が300万円程度で、利益率の低い事業をしていた人にとっては消費税を納めることで赤字になってしまうこともあります。

そのため、報酬を受け取る側はどれくらいの税負担が増えるのかということを認知して置かなければいけません。

■メリットや抜け道について

税負担が増えるとされるインボイス制度ですが、全てが悪い制度だということもありません。インボイス制度が始まることによって、インボイス制度に加入した課税事業者と、インボイス制度に加入しないことを選択した免税事業者に分かれます。
課税事業者になると、年間売上の10%を納税しなければいけませんが、免税事業者を利用しなくなった企業から仕事や案件を受注できる可能性がアップします。また、報酬アップの交渉もやりやすくなると考えると、売上の10%を納税したところで売上がインボイス制度加入前よりも10%アップしていればトントンだということです。
もしくは、抜け道としては「課税事業者にならなくても必要な存在になること」があげられます。
料金や報酬を支払う企業から考えた場合に、課税事業者と免税事業者の違いとしては、「適格請求書を発行してもらうことで仕入税額控除を使えるか否か」の部分です。企業から見て、「仕入税額控除を使わなくても必要な人材だ」と認識させることができれば免税事業者のままでも案件数や依頼数が減ることはありません。
このように、インボイス制度が始まることで不安になる人も多いかもしれませんが、使い方次第で上手く立ち回ることが出来るようになるので、まずはインボイス制度の仕組みや理解が大切です。

■まとめ

今回は、インボイス制度が始まることでの税負担や抜け道などについて紹介しました。
確かにインボイス制度は零細のフリーランスや個人事業主にとって大打撃を与える制度となっていますが、上手く利用することで免税事業者との差をつけるチャンスでもあります。
インボイス制度の悪い点だけを見て判断するのではなく、インボイス制度が始まることで自分にとってメリットとなる部分を探すのがオススメです。

執筆者 S.A

Popular posts

List category

List tag