2026/09/27
採用

選べる会社が、選ばれる——「週休3日」の本当の主役

選べる会社が、選ばれる——週休3日と、時間の選択権

「週休3日、あります」が、求人に増えてきた

最近、求人を見ていると、「週休3日制、あります」と書いてある会社が、じわじわ増えてきた。数年前は、一部の先進的な会社の話、という感じだったのに。実際、大手の求人サイトIndeedでは、「週休3日」に触れる求人が、2025年5月時点で5年前の5.3倍になっているらしい。福利厚生の一項目、というより、人を採るための”看板”になりつつある、ということだと思う。

でも、まだ7.5%。「これから」の段階

とはいえ、実態はまだこれからだ。厚生労働省の調査(令和5年)で、週休3日以上を導入している企業は、7.5%。10社に1社もない。国も「選択的週休3日制」を推してはいるけれど、義務化の予定はない。あくまで、やりたい会社がやる、という段階だ。

動きが速いのは、むしろ公の側かもしれない。国家公務員は、2025年4月から、選択的週休3日が一般の職員にも広がった(それまでは育児や介護の事情がある人だけだった)。東京都や茨城県、岡山市のような自治体も、続々と導入している。人が採れない、辞められては困る——そういう現場ほど、先に動いている印象がある。

大事なのは「3日休む」ことより、「選べる」こと

ここで、少し立ち止まりたい。「週休3日」と聞くと、つい「休みが1日増える話」だと思ってしまう。でも、本当のポイントは、そこじゃない気がする。

いまの制度の多くは「選択的」だ。つまり、週5日で働く人も、週4日を選ぶ人も、同じ会社の中にいていい。総労働時間は変えずに、1日分をぎゅっと寄せて4日で働く人もいれば、給料が少し減っても休みを増やす人もいる。会社が一律に決めるのではなく、働く側が自分の事情に合わせて選ぶ。主役は「3日」ではなく、「選べる」のほうなんだと思う。

仕事は、4つのバランスで選ばれている

そもそも、人が仕事を選ぶとき、何を見ているのか。私は、「お金」「距離」「時間」「環境」という、4つの要素のバランスで選ばれていると思っている。とくにアルバイトのような働き方だと、これがはっきり出る。いくらもらえるか、通いやすいか、いつ働くか、どんな職場か。この4つを天秤にかけて、人は仕事を選んでいる。

週休3日や選べる勤務時間は、このうちの「時間」の話だ。そして面白いのは、この「時間」の選択権が、いま大きく動いている、ということだ。

スキマバイトが壊したものが、正社員にも来ている

思えば、この十年で、「いつ・どれだけ働くか」の決定権は、少しずつ個人の側に移ってきた。スキマバイトが広げたのは、まさにこれだった。「この時間帯だけ」「1〜2時間だけ」を、働く人が選べるようにした。会社が用意した枠に人をはめ込むのではなく、人の都合に仕事を合わせる。だからこそ、あれだけ多くの人が使うようになった。

週休3日や選べる勤務時間の広がりは、その同じ動きが、今度は正社員の側にも及んできた、ということなんだと思う。スキマバイトが1日単位で壊した「時間の選択権」が、正社員の世界では1週間単位で崩れはじめている。地続きの話だ。

私たちの視点

私たちは、「いつ・どれだけ・いくらで働くか」を、働く人自身が選べる世界をつくりたいと思ってきた。週休3日や選べる勤務時間は、その「時間の選択権」が、企業から個人へと移っていく動きの、分かりやすい一歩だ。

選べる会社が「選ばれる」時代になってきた。休みの数を競う話ではなく、働く人にどれだけ選ばせてくれるか。その姿勢が、これからの会社の力になっていくんだと思う。

「選べる」が、当たり前になる日

週休3日は、まだ7.5%。数字だけ見れば、少ない。でも、求人の看板になり、公務員にも広がり、という流れを見ると、方向ははっきりしている。

たぶん、いつか「週休3日か2日か」を選べるのは、特別なことではなくなる。そのとき問われるのは、休みの数そのものより、「働く人に、どれだけ選ばせてくれる会社か」なんじゃないか。そんな気がしている。

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