アルバイトの採用は、店舗運営やサービス提供の現場を支える重要な業務です。しかし、「思ったより応募が来ない」「すぐ辞めてしまう」といった悩みを抱える採用担当者も多いのが現実です。
本記事では、アルバイト採用の一連の流れや採用方法、採用後に必要な手続き、効率よく採用するためのポイントまでを解説します。アルバイトの採用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
アルバイト採用までの流れ
アルバイトを採用するには、計画から募集、面接、採用決定まで一貫した流れを踏む必要があります。ここでは、実際の採用ステップを段階ごとに説明します。
ステップ1:採用ニーズを明確にする
どの部門・どの時間帯に人手が必要か、どの程度の勤務時間が求められるかなど、採用目的と必要な人数を明確にしましょう。
【例】飲食店の場合、土日の夜に来店客が集中しやすいため、その時間帯に勤務できるアルバイトが欲しい など
ステップ2:求める人物像と条件を設定する
業務に適したスキルや経験、勤務時間帯の条件、求める人物像などを具体化します。学生や主婦層、シニア層など、ターゲット像を明確にすることで効果的な募集が可能になります。
ステップ3:募集方法と媒体を決定する
採用ターゲットに合わせて、求人サイト、店頭告知、SNS、自社サイト、紹介制度など、適切な手段を選択します。なお、具体的な採用方法については、次の章「アルバイトの採用方法【代表的な手法5選】」で詳しく解説していますので、こちらをご参考ください。
ステップ4:求人情報を作成・掲載する
募集方法が決まったら、その媒体に載せる求人情報を作成します。仕事内容や勤務条件、勤務地、給与、シフト、福利厚生などを具体的に明記し、応募意欲を高める内容にしましょう。
ステップ5:応募者の受付と選考準備を行う
アルバイトへの応募があったら迅速に対応しましょう。面接のスケジューリングや履歴書の確認など、選考の準備を整えます。
ステップ6:面接を実施する
面接では応募者の人柄、やる気、勤務可能な条件などを確認し、スキルだけでなく職場との相性も見極めましょう。
ステップ7:採用決定と内定通知を行う
採用を決定したら速やかに内定通知を行い、勤務開始までの流れを明確に伝えます。必要書類の案内もこの段階で行います。
アルバイトの採用方法【代表的な手法65選】
アルバイトの採用にはさまざまな方法があり、それぞれに特徴とメリットがあります。ここでは代表的な65つの採用手段を紹介します。
求人サイト・アプリを活用した採用
「バイトル」「タウンワーク」「マイナビバイト」などの求人メディアは、幅広い層へのアプローチが可能で、掲載期間中に複数の応募が見込めます。短期間で多数の応募者を集めたいとき、大都市圏で多様な層をターゲットにしたい場合に有効です。
店頭ポスターやチラシでの採用
来店客や通行人など、地域に密着した求職者に直接訴求できます。特に飲食店や小売店など、地域密着型の業態で有効です。店舗周辺に住む人を採用したいときや、近隣の学生アルバイトを探している場合に適しています。
SNS・自社サイトでの直接採用
InstagramやX(旧Twitter)などを活用し、企業の雰囲気を伝えることで特に若年層にアプローチ
できます。コストを抑えながら情報発信できるのも利点です。企業イメージを重視する職場や、柔軟な働き方をアピールしたいとき、飲食・アパレル業などで特に有効です。
ハローワークや紹介制度での採用
ハローワークは無料で求人掲載が可能で、特にシニア層や再就職希望者への訴求に効果的です。長期雇用を前提としたアルバイトを採用したい場合や、採用コストを抑えたいときに有効です。
スタッフからの紹介(リファラル採用)
現在のスタッフからの紹介は、信頼性が高く、ミスマッチも起きにくい傾向があります。紹介者へのインセンティブ制度などを設けることで紹介数を増やせます。採用後の定着率を高めたいときや、急ぎで信頼できるアルバイトを採用したい場面で有効です。
エニジョブを活用する
採用支援サービス「エニジョブ」を活用する方法もあります。エニジョブは、採用からシフト管理、給与計算、過去勤務者の再雇用までを一括でサポートするサービスです。たとえば、以前に勤務していたアルバイトスタッフのスキルや勤務評価を管理し、必要なタイミングでスムーズに再雇用できる「アルムナイ採用(再雇用)」の仕組みも搭載されており、即戦力となるアルバイトの確保に役立ちます。
アルバイトの採用方法についてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご参考ください。
>>アルバイトの採用手法11選!最新トレンドから定番まで紹介【2025年版】」
アルバイト採用時に必要な手続き
アルバイトを採用する際には、さまざまな手続きが必要です。ここでは、採用後に必要な書類と手続きを紹介します。
アルバイト側から提出してもらう書類
採用が決まったら、まずは以下の書類をアルバイト本人から提出してもらいましょう。
- 本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
- マイナンバー通知書やカード(税・社会保険の手続き用)
- 扶養控除等申告書(年末調整や源泉徴収のため必要)
- 通帳やキャッシュカードのコピー(給与振込先確認用)
これらの書類は、給与支払いや保険手続き、税務処理などに必要な基本情報となります。
また、これらの書類には個人情報が多数含まれているため、取り扱いには十分注意が必要です。提出された書類は厳重に保管し、万が一の情報漏えいを防ぐためにも、社内でも必要最低限の担当者のみがアクセスできる体制を整えましょう。
税務・社会保険加入手続きで必要な書類
アルバイトの勤務形態や就労時間により、社会保険や雇用保険、税務手続きが発生します。必要に応じて以下の対応を行います。
- 雇用保険被保険者証:加入対象(週20時間以上勤務等)の場合に必要。
- 健康保険・厚生年金の加入手続き書類:週の労働時間が正社員の3/4以上、または一定の条件(週20時間以上、賃金月8.8万円以上等)を満たす場合など。
- 源泉徴収に関する届出書類:給与からの所得税控除のために必要。
法令や制度は変更されることがあるため、最新情報は厚生労働省・国税庁の公式ページを随時確認しましょう。
雇用契約書、労働条件通知書について
雇用契約を締結する際は、以下の2つの文書を準備します。
- 雇用契約書:雇用期間、勤務時間、時給、仕事内容など、雇用に関する取り決めを記載。
- 労働条件通知書:労働基準法第15条により交付義務があります。契約内容のうち法定事項を記載し、書面で交付する必要があります。
この2つは同じ内容を含むことが多く、ひとつの書類にまとめても問題ありません。雇用契約書の取り交わしは法的義務ではありませんが、トラブル防止のため作成・締結する企業が多いです。
効率良くアルバイトを採用するポイント
アルバイトを「集める」「見極める」「定着させる」ためには、各段階での工夫が欠かせません。ここでは、採用業務を効率化し、質の高い採用を実現するための実践的なポイントを紹介します。
【募集時】採用ターゲットの設定と募集方法の選定
まず、誰を採用したいのか(学生・主婦・シニア・Wワーク希望者など)ターゲット像を明確にしましょう。それに応じて、ターゲットが多く利用している求人媒体を選定します。
【例】
- 学生を採用したい場合は、「バイトル」「マイナビバイト」など若年層に人気のサイトが効果的
- 主婦層には、短時間勤務求人が豊富な地域密着型サイトや、フリーペーパー媒体が有効
- SNSを活用する場合は、柔軟なシフトや職場の雰囲気を写真や動画で発信し、イメージを訴求するのがポイント
また、過去の採用データを活用して「どの募集媒体が応募数・採用数に結びついたか」を分析し、無駄打ちを防ぐことも重要です。
【選考時】応募が集まる求人作成とスムーズな選考対応
求人原稿には、応募者が知りたいポイント(シフトの柔軟さ、服装自由、未経験歓迎、交通費支給など)をわかりやすく記載しましょう。写真やスタッフインタビュー記事を載せると、働くイメージがわきやすくなり、応募率が高まります。
また、スムーズな選考対応も応募者満足度を高めるカギです。応募から面接設定までをできるだけ即日対応する、Web面接やオンライン面の導入を検討する、夜間・土日面接の対応を検討する、といった工夫が求められます。
また、採用管理ツールを導入することで、応募者の情報一元管理、面接日程の自動調整、進捗管理などを効率化することができます。これにより、選考スピードが劇的に向上し、採用の取りこぼしを防げます。
【採用後】ミスマッチ防止と早期離職を防ぐフォロー体制の構築
採用が決まった後も、しっかりしたフォロー体制を作ることが長期定着につながります。採用後すぐのフォローアップや、職場定着のための教育・相談体制が重要です。
勤務開始前にオリエンテーションを実施し、業務内容・職場ルールを丁寧に説明したり、初出勤日に担当者や先輩スタッフが付き添い、業務をサポートしたりなど工夫することで、採用後に「思っていた仕事内容と違った」「相談できる人がいなかった」といった理由による早期離職を防ぎやすくなります。
効率的なアルバイト採用の実現に向けて
アルバイト採用は、採用計画をしっかりと立てることや、適切な採用手法の選定が成功のカギです。自社の状況にあった方法を選び、採用活動をブラッシュアップしていくことが、現場を支えるアルバイトの採用につながります。
また、アルバイト採用には、採用活動だけでなく、契約手続き、シフト管理、給与計算など、煩雑な業務が伴います。特に、繁忙期の短期採用や突発的な人員補充など、スピーディな対応が求められる場面では、これらの業務負荷が大きな課題となりがちです。
このような課題解決をサポートするサービスとして、「エニジョブ」の活用がおすすめです。「エニジョブ」は、アルバイトの採用からシフト管理、給与計算までを一元化できるサービスで、短期・スポット採用にも対応。過去勤務スタッフの再雇用機能も備えており、即戦力となる人材をスムーズに確保できる仕組みが整っています。
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