2023/08/16
請求書

電子帳簿保存法の改正に向けて事前に準備するべき項目とは?

「電子帳簿保存法に対応しないといけないけど、何からやればいいのか分からない…」と思っている方もいるのではないでしょうか。企業でも、紙ベースから電子ベースに切り替えているところは多く、最終的には多くの企業が電子化に対応することが予想されます。本記事では、新たに改正された電子帳簿保存法の改正ポイントから対応する上で準備するべきことを紹介していきます。

■電子帳簿保存法2022年1月改正の主な内容

今回の改正のポイントは「要件緩和」と「電子取引」です。
電子帳簿保存法では、対象によって保存方法が大きく3つに分けられます。

1つ目は「電子帳簿等保存」です。
会計ソフトなどで作成した帳簿や、電子的に作成した国税関係書類をデータのまま保存する場合、電子帳簿等保存に区分されます。

2つ目は「スキャナ保存」です。
領収書や作成した請求書などの書類をスキャナで読み取って保存する場合、スキャナ保存に区分されます。

3つ目は「電子取引」です。
電子的にやり取りした書類をデータで保存する場合、電子取引に区分されます。

今回の法改正は、上記の3区分に様々な「要件緩和」が行われています。また、「電子取引における電子データ保存の義務化」も改正により加えられました。

続いて「要件緩和」された改正点について説明します。

改正点は、「事前承認の廃止」や「タイムスタンプ要件の緩和」、「適正事務処理要件の廃止」、「システム要件の緩和」、「検索要件の緩和」などです。それぞれ、以前とどのように変わったのかを紹介していきます。

・「事前承認制度の廃止」
以前まで「電子帳簿等保存」や「スキャナ保存」を行う場合、管轄の税務署長への事前申請と承認が必要でした。しかし、今回の改正により、事前認証制度自体が各企業の負担軽減のため、廃止になりました。

・「タイムスタンプ要件の緩和」
以前まで「スキャナ保存」と「電子取引」では「タイムスタンプの付与」を遅延なく行う必要がありましたが、今回の改正で「最長2か月、おおむね7営業日以内」に改正されました。

・「適正事務処理要件の廃止」
「スキャナ保存」において、以前まで書類のスキャニングを行う際の相互けん制、社内規定の整備、定期的な検査などが必須となっていましたが廃止されました。
これにより、定期検査後にしか廃棄できなかった紙書類の原本が、データ保存が完了したのちに、すぐに破棄できるようになります。

・「システム要件の緩和」
「電子帳簿等保存」において最低限の要件を満たしたシステムであれば利用可能ということになりました。以下の条件に当てはまるシステムは「優良な電子帳簿」として認められ、申告漏れが発覚した場合に課される過少申告加算税が5%軽減されます。
以前と同様ですが、以下の2点の基準を満たしている必要があります。

●システム間の相互関連性の確保
●訂正や削除の履歴が残るシステムでの保存

・「検索要件の緩和」
「スキャナ保存」と「電子取引」において、記録を検索する際の項目が「取引生年月日」「取引金額」「取引先」の3つに緩和されました。
また、税務署からの要請があっても、記録のダウンロードが速やかに行えるよう対策されている場合「複数の条件で検索できる」や「範囲指定」などの必要性はなくなりました。

・「電子取引についての改正点」
以前までは紙で取引の保存を行っていた企業も多く、現在もそうしている企業は多いと思います。しかし、今回の改正により、電子取引の紙面保存が廃止されました。
「電子取引」とは以下の取引を指します。

1.電子メールなどに発注書や納品書、請求書を添付して取引を行った場合など
2.インターネットバンキング上での取引、ネットショップでの通販など、紙媒体でのやりとりを行っていない取引等

データでの保存にはタイムスタンプの付与が必要です。
加えて、「取引生年月日」「取引金額」「取引先」の3項目で検索できるようにしておかなければなりません。ただ、こういった状況に即時対応が難しい企業も多いでしょう。
電子化対応が難しい企業があることも想定して、施行開始してから2年間の間は猶予期間が設けられています。
猶予期間は2023年12月31日までの約2年間で、電子化対応が厳しい企業に限り、印刷物での保存が認められています。
注意点として「電子取引における電子データ保存の義務化」は企業だけでなく、個人事業主も対象となっているので、猶予期間の間に対策しておきましょう。

■帳簿類の電子保存をスタートするに当たり必要な準備

帳簿類の電子保存を確立していく上で以下の5点の準備が必要になります。

1.電子帳簿保存法上の4類型について理解する
2.電子帳簿の保存方法と保存場所を決定する
3.各類型の保存制度に応じた社内ルールを整備する
4.スキャナやプリンタなどの機器を用意する
5.関係者に周知する

上記の準備をした上で取引の電子化に備えましょう。

■まとめ

今回は、電子帳簿保存法の改正ポイントから対策する上で準備すべきことについて解説しました。取引が紙ベースでなくなるのは、体制を整えるのが大変ではありますが、猶予期間の間にしっかりと整えておきましょう。また、電子取引データ保存の手段として「請求書クラウド」もあるので、保存先が決まっていない方はぜひ、検討してみてください。

執筆者 M.S

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