2024/02/08
IPOは通過点

【知命】Part1.「IPOゴール」は経営者の問題か?

IPOの仕事が好きなんだと思っていたけど、ベンチャー企業が好きなんだと改めて認識している50歳。
40歳の「不惑」は有名だけど50歳は自分が生まれてきた宿命を知る年齢「知命」というらしい。
そして、人生賭けてやりたいテーマ(仕事)をこの数ヶ月で3つも見つけてしまい「知命」という言葉を今まさに噛みしめている。
今回は、知命の3つのうちIPOのテーマをご紹介したい。
(残りの2つは、PaymentTechnologyのテーマなので、後日ご紹介していきます)

 

冒頭


最近NASDAQ市場の上場のお手伝いをする機会が多く、あちらのマーケットについて勉強を進めると、日本のIPOマーケットにおける問題点が見えてきた。

日本ではIPOしたが、その後POによる調達ができていないという事実、直近3年間上場した企業でPOした企業は1、2社しかない。
一方、NASDAQではIPO後に、数ヶ月から資金調達できている事例は数多くある。

近く調査したデータを公表していきたいと思っているが、日本でIPOする直前までベンチャーキャピタルなどから、資金調達をしてきた企業は数多くあるが、本来調達の多様化の為のIPOのはずが、IPOを最後に調達できていない。

当然だが、調達資金は企業の成長に使われるものだから、その多寡によって成長速度がリアルに反映される。
未上場企業に資金を提供する環境はこの数年で劇的に変化し整備された。
その恩恵を受けたスタートアップ、ベンチャー企業は順調に育ち、IPOを成し遂げられるのだが、その後に待っている環境はほとんど知られていない。

かくいう私もIPOの支援を行う者であるのだが、恥ずかしながら曖昧な認識しか持っていなかった。

繰り返しになるがIPO後は調達できていないし「させてもらえない」のである。
できない理由は後述するが、企業の成長に直結する資金が手に入らないのに、IPOゴールと批判する事は性急ではないか?

また、取引所の上場維持基準が厳しくなる方向で検討されているが、資金を調達できるマーケットでもないのに、成長せよとはなかなか厳しい。
この事実を知ったら、上場しない方が資金が調達でき、成長も早いのではないかと考えてしまう。

 

なぜIPO後の資金調達がしにくいのか?


IPO後の資金調達がしにくくなる理由として、2点ある。

まず、1つ目の理由は特にグロース市場銘柄のPOを引き受けてくれる証券会社の不在がある。
証券会社は公募株を買取引受し、投資家に販売する方式で株式を販売する。
グロース銘柄では株式の買い手が個人投資家がメインとなる。
証券会社が販売する際、個人投資家は当然小ロットの株式を多人数で購入することになり、機関投資家と比べて販売しづらいのである。

2つ目の理由はグロース株を購入する機関投資家の不在である。
機関投資家にとって時価総額が低い企業は運用ファンド等に組み込むことができず、投資対象ではない。

しかし、かのNASDAQ市場では小粒の上場でもPOによる資金調達はできている。
時価総額が小さくとも投資をする上場後の資金の出し手がきちんといると言うことだ。しかも複数回!

問題はPOを引き受けられない証券会社と時価総額50億程度の企業に投資できる投資家、機関投資家が少なすぎるのである。

上場後数ヶ月でPOで調達できるNASDAQ市場と、3、4年経ってようやく調達できる日本の市場とどちらの方が企業は成長ができるのであろうか?

ある上場企業経営者が言っていた「上場したらしんどいよ?」これは調達できないのに成長せよと株主から言われている経営者の心から出た言葉。

私はこの環境を変えたい。このままではIPOゴールの企業ばかりになってしまうし、IPOしない方が良いマーケットになってしまう。

これを打開するアイデアが私にあります。賛同者求む!

 

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執筆者 上野 亨

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